家族が最も長い時間を過ごすリビングの壁紙は、家の顔とも言える重要な場所です。この広い空間を初心者が一人で貼り替えるためには、確かな手順と計画性が求められます。まず最初に行うべきは、家具の移動と養生です。リビングには大きなソファやテレビ台があるため、これらを中央に寄せて作業スペースを確保し、埃が被らないようにビニールシートで覆います。次に、既存の古い壁紙を剥がす作業に入りますが、剥がした後の壁に残る「裏紙」の状態に注目してください。裏紙が綺麗に壁に密着している場合は、その上から新しいクロスを貼るのが最も安定します。もし裏紙が浮いている箇所があれば、そこはカッターで切り取ってパテで埋め、平らな面を作ります。リビングのような広い面では、壁の一番端から垂直を確認して貼り始めるのが基本ですが、最初に貼る場所がその後のすべての基準となるため、糸に重りをつけて垂らすなどの方法で、正確な垂直線を壁に描いておくことが不可欠です。天井に近い高い位置から壁紙を当て、撫でバケを使って空気を逃がしながら下へと下ろしていきます。二枚目以降は、継ぎ目を三センチほど重ねて貼り、その真ん中を地ベラをガイドにして二枚同時にカットする「ジョイントカット」を行います。この際、下地の石膏ボードまで深く切り込みすぎないよう、力加減に注意が必要です。上下の端切れを抜き取り、ローラーで継ぎ目を抑えれば、プロのような目立たない仕上がりになります。コンセントカバーやカーテンレールを元に戻す際は、壁紙ののりが完全に乾く前に戻してしまうと、湿気でカバーが汚れたり壁紙がヨレたりするため、数時間置いてから行うのがコツです。広いリビングの壁が一面ずつ新しくなっていく様子は圧巻で、全ての作業が終わった後の清々しさは何物にも代え難いものがあります。家族全員が明るくなった部屋で寛ぐ姿を見れば、週末を費やして取り組んだ苦労も、素晴らしい思い出へと変わるはずです。