念願のクロス貼りを終えて美しい壁を手に入れたら、次に考えるべきはその美しさをいかに長く維持するかというメンテナンスの知恵です。クロス貼りの作業が終わった直後は、部屋を閉め切るのではなく、適度に換気を行いながら自然にのりを乾燥させることが重要です。急激な暖房や冷房は、壁紙の急激な収縮を招き、継ぎ目が開いてしまう原因になります。もし乾燥後に継ぎ目がわずかに開いてしまった場合は、市販の「ジョイントコーク」などの補修材を使い、隙間を埋めるように塗り込むことで、目立たなくさせると同時に剥がれの進行を防ぐことができます。また、数日経ってから小さな気泡が見つかることがありますが、これは中ののりが乾ききっていない証拠です。多くの場合は自然に馴染んで消えていきますが、どうしても気になる場合は、注射器のような注入器で少量の糊を入れ、ローラーで抑えることで簡単に修正が可能です。日々のメンテナンスとしては、汚れが付着した際に放置しないことが鉄則です。ビニールクロスであれば、多くの汚れは水拭きで落とすことができますが、強くこすりすぎると表面の凹凸が潰れてしまうため、柔らかい布で叩くように汚れを吸い取るのがコツです。特にスイッチ周りやドア付近は手垢がつきやすいため、定期的に中性洗剤を薄めた水で拭き掃除をすると、清潔な状態を長く保てます。もし子供が落書きをしてしまったり、家具をぶつけて一部が剥がれてしまったりしても、セルフリフォームの経験があれば自分で部分補修ができるという強みがあります。余った壁紙を捨てずに保管しておけば、その部分だけを四角く切り取ってパッチワークのように貼り直す「クロスのつぎはぎ補修」が可能です。自分で貼った壁だからこそ、その弱点も扱い方も熟知している。そんなオーナーならではの視点で住まいをケアし続けることで、自分で貼り替えたクロスは十年先も二十年先も、暮らしを温かく彩り続けてくれることでしょう。
クロスを貼った後のメンテナンスと長く美しさを保つ方法