台風の季節や突風が吹く日、窓の外でガタガタと網戸が激しく暴れる音が聞こえてくることがあります。この時、多くの人が網戸が飛ばされないか不安に感じますが、実は網戸が実際にレールから外れて落下してしまう最大の原因は、上部に付いている外れ止めという部品の不具合や破損にあります。網戸は構造上、上側のレールには深くはまっておらず、強い風によって枠がたわんだり浮き上がったりすると、簡単にはずれてしまう弱点を持っています。その浮き上がりを物理的に抑え込んでいるのが外れ止めです。しかし、この部品は常に直射日光にさらされているため、十年前後でプラスチックが脆くなる樹脂の劣化、いわゆる白化現象を起こします。見た目には問題なくても、一度強い衝撃が加わると、まるで煎餅のように簡単に砕け散ってしまうのです。実際に起きた事例では、強風時に網戸が外れ、階下の駐車場の車を直撃してしまったというケースもあり、損害賠償問題に発展することすらあります。戸建て住宅であれば庭に落ちるだけで済むかもしれませんが、マンションなどの集合住宅では、網戸の落下は殺人未遂に近い危険性を孕んだ重大事案となります。そうならないためにも、季節の変わり目には必ず外れ止めの点検を行ってください。点検方法は簡単で、網戸を上に持ち上げてみた時に、ガチッと止まって外れないかどうかを確認するだけです。もし数センチ以上も持ち上がってしまい、レールから外れそうになるのであれば、外れ止めが破損しているか、あるいは位置がずれて正しく機能していない証拠です。ネジが緩んでいるだけであれば締め直すだけで済みますが、プラスチック部分に亀裂が入っている場合は、迷わず部品を交換すべきです。近年の異常気象による猛烈な風を想定すると、網戸の安全対策は決して軽視できるものではありません。自分の家の網戸が凶器に変わる前に、たった数百円の部品交換で得られる安心を手に入れるべきです。網戸のネットが綺麗であっても、それを支える枠が外れてしまっては意味がありません。風の音に怯える夜を過ごさないためにも、天気の良い日にしっかりと足元だけでなく、頭上の安全装置にも目を向けておきましょう。