和室をフローリングに変えるリフォームにおいて、最終的な仕上がりの美しさと耐久性を決定づけるのは、目に見える床板ではなく、その下に隠れる「下地」の施工精度です。特にDIYで六畳間を改修する場合、多くの初心者が床板を張る作業にばかり集中してしまいますが、実は下地作りにこそ全工程の八割の労力を注ぐべきです。まず理解しておくべきは、畳とフローリングの構造的な違いです。畳は約五十五ミリ前後の厚みがあるのに対し、フローリング材は一般的に十二ミリ程度です。この差である四十三ミリを正確に埋めなければ、隣接する廊下との間に大きな段差が生じ、つまづき事故の原因になります。具体的な手順としては、まず畳を撤去した後の床板(荒床)の上に、根太と呼ばれる角材を設置します。この根太の太さを調整することで高さを合わせるのですが、六畳間の場合は根太の間隔を三百三ミリピッチで配置するのが建築の標準です。これより間隔が広いと、完成後に床の上を歩いた際に「たわみ」や「きしみ」が発生しやすくなります。根太を固定する際は、床下の配管や配線を傷つけないよう注意しながら、床束や既存の構造体にしっかりとビス留めを行います。次に、根太と根太の間の空間には、断熱材を隙間なく敷き詰めることを強くお勧めします。和室の床下は外気が入りやすく、断熱を怠るとフローリングに変えた後に「底冷え」が深刻な悩みとなるからです。断熱材の上には十二ミリ厚の合板(構造用合板)を千鳥貼りにして敷き、これでようやくフローリングを張るための平滑な下地が完成します。DIYでの費用を抑えるために下地を簡略化したいという誘惑に駆られることもありますが、ここで手を抜くと、数年後に床が沈んだり不快な音が鳴り始めたりして、結局はプロに再工事を依頼することになり、かえって高くついてしまいます。六畳という限られた範囲だからこそ、基礎となる下地作りに妥協せず、水平垂直を厳密に管理することが、数十年先まで安心して使い続けられる床を手に入れるための唯一の道です。丁寧な下地造作こそが、DIYリフォームを「プロ級」の仕上がりに引き上げるための最大の秘訣と言えるでしょう。
畳からフローリングへのDIYを成功させる下地の知恵