中古マンションを購入して自分たちらしい住まいを作ろうと決めたとき、私はリフォームとリノベーションのどちらにするかで激しく悩みました。最初は、少しでも費用を抑えるために古くなった設備を入れ替えるだけのリフォームで十分だと考えていたのです。しかし、実際に物件の中を歩き回り、自分たちの生活動線を想像してみると、既存の間取りのままではどうしても理想の暮らしが実現できないことに気づきました。リフォームであれば、キッチンの色を選び、床を新しくするだけで済みますが、それはあくまで古い型枠の中に新しい素材を流し込むような作業に過ぎません。私たちが本当に求めていたのは、料理をしながら子供たちの様子が見える開放的な空間であり、趣味の道具をたっぷりと収納できる土間のようなスペースでした。これらは壁の位置を動かさなければ実現できず、結果として私たちはフルリノベーションという道を選ぶことにしたのです。リノベーションを進める過程では、一度室内をスケルトン状態にして、配管から電気配線まで全てをやり直しました。リフォームに比べれば費用は数百万円単位で跳ね上がりましたし、打ち合わせの回数も膨大で、完成までの期間も三ヶ月以上かかりました。しかし、出来上がった住まいに足を踏み入れた瞬間、その決断が正しかったことを確信しました。ただ綺麗になっただけでなく、家全体が私たちの呼吸に合わせて作られているかのような心地よさがあったからです。リフォームをしていたら、きっとどこかで妥協を感じながら生活していたでしょう。リノベーションを選んだことで、住まいは単なる寝泊まりの場所ではなく、人生を豊かにするための能動的な舞台へと変わりました。費用や手間の面ではハードルが高いリノベーションですが、間取りという根本から自分たちの生活を再構築したいという強い願いがあるのなら、迷わず挑戦する価値があると断言できます。あの時の悩みがあったからこそ、今の最高に快適な我が家があるのだと、心から満足感に浸りながら毎日を過ごしています。
私が悩んだ末にリフォームではなくリノベを選んだ理由