和室の収納といえば、まず思い浮かぶのが「押入れ」です。しかし、この伝統的な収納スペースは、主に布団を収納することを前提に設計されているため、現代のライフスタイルにおいては、その使い勝手の悪さを感じる方が少なくありません。奥行きが深すぎて奥の物が取り出しにくかったり、中棚があることで洋服を吊るすことができなかったりと、デッドスペースが生まれがちなのです。この使いにくい押入れを、リフォームによって機能的な「クローゼット」へと生まれ変わらせることは、和室活用の幅を大きく広げるための非常に効果的な一手となります。押入れからクローゼットへのリフォームは、いくつかのステップで行われます。まず、押入れの象徴ともいえる襖と、内部の中棚や枕棚をすべて撤去します。これらを取り払うだけで、押入れは一つの大きな箱状の空間となり、その収納の可能性は一気に広がります。この時、押入れ内部の壁や床の状態もチェックします。長年の湿気で壁にカビが生えていたり、床板が傷んでいたりすることがあるため、必要であれば壁紙を張り替えたり、床を補強したりといった内装工事も同時に行うのが一般的です。次に、クローゼットの内部構造をどのように作り込むかを計画します。最も一般的なのは、ハンガーパイプを取り付けて、洋服を吊るして収納できるようにする方法です。ハンガーパイプを前後に二本設置する「ダブルハンガー」仕様にすれば、収納力は倍増します。また、可動式の棚板を設置すれば、収納したい物の高さに合わせて自由にレイアウトを変えることができ、バッグや帽子、収納ケースなどを効率的に整理することが可能です。引き出しユニットを組み込むのも良いでしょう。最後に、クローゼットの顔となる「扉」を選びます。元の襖のままではクローゼットの雰囲気が出ないため、扉の交換は必須と言えます。最も人気があるのは、左右に開閉する「折れ戸」です。扉を大きく開くことができるため、中の物が一覧しやすく、出し入れが非常にスムーズです。開閉のためのスペースも最小限で済むため、部屋を広く使うことができます。その他、左右にスライドさせる「引き戸」や、手前に開く「開き戸」など、部屋の使い方や好みに合わせて選ぶことができます。
和室の押入れを最強のクローゼットに変える術