現代の住宅において、リビングの隣に設けられた和室は、客間や寝室としてだけでなく、より多目的に活用したいというニーズが高まっています。その解決策として絶大な人気を誇るのが、リビングと一体化させた「小上がり」の和室へとリフォームする手法です。小上がり和室は、空間にメリハリを生み出し、デザイン性と機能性を両立させることができる、非常に優れたアイデアと言えるでしょう。このリフォームの最大のポイントは、リビングとの仕切りをどうするかです。伝統的な襖や壁で完全に仕切るのではなく、それらを取り払ってオープンな空間にすることで、リビングに広がりと奥行きが生まれます。そして、元の和室部分の床をリビングよりも三十センチから四十センチほど高くすることで、緩やかに空間をゾーニングします。この段差があることで、一体感を保ちながらも、小上がり部分は一つの独立した「間」として認識され、特別な落ち着きをもたらします。段差に腰掛ければ、リビングにいる家族と目線を合わせながら会話ができる便利なベンチにもなります。床材には、伝統的な縁のある畳ではなく、縁なしの正方形の「琉球畳」を選ぶのがモダンに見せる秘訣です。カラーバリエーションも豊富で、若草色だけでなく、グレーやブラウン、ブラックといったシックな色を選ぶと、フローリングのリビングとも違和感なく調和します。また、小上がりの最大のメリットの一つが、段差部分を有効活用した「収納スペース」の創出です。畳の下を大容量の引き出し収納や、蓋を開けて物を出し入れする跳ね上げ式の収納にすることができます。これにより、リビングに散らかりがちな子供のおもちゃや日用品、季節の飾り物などをすっきりと片付けることができ、生活感を隠した美しい空間を保つことが可能になります。空間のアクセントとして、照明計画にもこだわりたいところです。小上がりの天井に間接照明を仕込んだり、足元を照らすフットライトを設けたりすると、夜には空間が立体的に浮かび上がり、まるで旅館のような上質な雰囲気を演出できます。普段は子供の遊び場や家事スペースとして、来客時には客間として、そして時には家族が寝転がってくつろぐ癒やしの空間として。小上がり和室は、一つの部屋に様々な役割を持たせることができる、現代のライフスタイルにぴったりのリフォームと言えるでしょう。