和室の持つ独特の雰囲気も素敵ですが、家具の配置がしにくい、ダニやカビが気になる、あるいは、隣の洋室と繋げて広々と使いたいといった理由から、「畳の部屋をフローリングにしたい」と考える方は少なくありません。このリフォームは、プロに頼むと費用がかさみがちですが、実はDIYでも十分に挑戦することが可能です。畳からフローリングへのDIYリフォームには、大きく分けて二つの方法があります。一つ目は、最も手軽な「ウッドカーペットを敷く」方法です。ウッドカーペットは、薄い木の板を布地などに貼り付け、カーペットのように丸められるようにした製品です。畳の上にそのまま敷くだけで、あっという間に和室がフローリングの空間に変わります。特別な工具は不要で、施工時間も短いため、DIY初心者や賃貸住宅にお住まいの方に最適です。ただし、本物のフローリングに比べると、歩いた時の感触や質感は劣ります。また、畳の上に敷くだけなので、床の段差は解消されません。二つ目は、より本格的な仕上がりを目指す「畳を撤去してフローリングを張る」方法です。こちらは少し手間がかかりますが、達成感も大きく、仕上がりの美しさは格別です。まず、部屋の畳をすべて取り外します。畳を剥がすと、その下には「根太(ねだ)」と呼ばれる角材が組まれた下地が現れるか、あるいはコンクリートの土間が現れます。この下地の状態によって、その後の工程が変わります。重要なのは、畳の厚み(通常55mm〜60mm)と、新しく張るフローリングの厚みの差を調整することです。畳を剥がした後の下地の上に、角材を組んで高さを調整し、その上に構造用合板などの下地材を張って、平滑な床下地を作ります。この下地作りが、最も重要な工程です。下地が完成したら、その上にはめ込み式のフローリング材などを張っていきます。この方法であれば、隣の部屋との床の高さを合わせる(バリアフリー化する)ことも可能です。時間と労力はかかりますが、自分の手で和室を洋室へと生まれ変わらせるプロセスは、DIYの醍醐味を存分に味わえる体験となるでしょう。