床のリフォームDIYを成功させるためには、いきなり床材を張り始めるのではなく、その前の「下準備」を丁寧に行うことが何よりも重要です。この地道な準備作業を怠ると、せっかくのDIYが「安かろう悪かろう」の残念な仕上がりになってしまう可能性があります。また、作業をスムーズに進めるためには、適切な道具を揃えておくことも欠かせません。まず、最も重要な下準備が、部屋の正確な「採寸」です。メジャーを使って、部屋の縦と横の長さを複数箇所で測り、正確な寸法を把握します。部屋は必ずしも完全な長方形ではないため、数カ所で測るのがポイントです。柱やドアの凹凸など、複雑な形状の部分も忘れずに測っておきましょう。この採寸データを基に、必要な床材の量を計算します。作業中の失敗や、カットによるロス分を考慮して、計算した面積よりも10%程度多めに床材を発注しておくのが一般的です。次に、既存の床の「清掃と補修」です。これから張る新しい床材をしっかりと密着させ、平らに仕上げるためには、下地となる現在の床が綺麗で平滑であることが必須条件です。まずは、掃除機でホコリやゴミを徹底的に取り除き、固く絞った雑巾で水拭きして、油分や汚れを落とします。もし、既存の床に大きな傷やへこみ、きしみがある場合は、パテで埋めたり、釘を打ち増ししたりといった簡単な補修を行っておくと、仕上がりが格段に美しくなります。床材を張る前に、仮置きをしてみることも大切です。実際に床材を部屋に並べてみて、割り付け(どのように並べるか)を計画し、カットが必要な場所や、柄のつながりなどを確認します。この一手間が、本番での失敗を防ぎます。揃えておきたい基本的な道具は、メジャー、カッターナイフ(大きめのものが望ましい)、カッターマット、そして、長い直線を引いたり、カットの際の定規として使ったりする「さしがね」や「アルミ定規」です。はめ込み式のフローリングを施工する場合は、のこぎりや、隙間をなくすために使う「ゴムハンマー」、端材を当てるための「当て木」などが必要になります。これらの下準備と道具が、あなたの床DIYを成功へと導く、縁の下の力持ちとなるのです。